心臓カテーテル検査の必要性

 虚血性心疾患 (狭心症、心筋梗塞など) の疑いがある。
 (または、すでに風船療法や手術後である。)

 診断の確定と治療法決定のために冠動脈の状態を知る必要がある。

 検査の合併症が発生する可能性より、病気により実害を受ける可能性のほうが高い。 (ないしほぼ同等である。)


   心臓カテーテル検査の方法

 手首または肘または太股のつけねの皮膚を麻酔し、その皮下を通る動脈に細い管 (太さ 2mm 以下で、この管をカテーテルといいます) を挿入し、レントゲンを見ながら心臓まで進め、冠動脈に造影剤を入れて撮影します。

 検査時間は約 1 時間で、検査後最低 3 時間の安静が必要です。

 検査に伴う主な苦痛は穿刺時の注射と検査後の安静です。

 入院が必要です。 (3 〜 4 日)

 入院にあたって採血、心電図、レントゲン、尿、心エコー検査などカテーテル検査に関連した検査を行います。


   検査にともない発生する可能性のある合併症

 検査を慎重かつ適切に行っても合併症は起こり得ます。

 軽いもの:
        穿刺部の皮下出血
        造影剤によるはきけ、おうと、じんましん、発疹

 中程度:
        輸血を要する穿刺部出血
        修復手術を要する血管損傷 (偽性動脈瘤、動静脈瘻)
        造影剤アレルギーによる血圧低下、呼吸困難、意識消失
        造影剤による腎不全または一過性腎機能障害
        感染
        末梢動脈塞栓症、コレステロール塞栓
        不整脈
        心不全
        血管反応性筋ジストロフィー

 重篤なもの:
        脳血管障害  0.07%
        心筋梗塞   0.05%
        死亡      0.11%